会長挨拶

日本カトリック医師会 会長就任のご挨拶

和田惠美子

御復活の余韻の残る五月、聖母月を迎えました。4月24日の理事会、評議員会において篠崎会長の後をうけて、会長に指名されました。篠崎会長におきましては、この2年間はコロナ渦にあって、特にご苦労が多かったのではないかと推察します。MLのご挨拶でも申し上げましたが、私は医学部卒業と同時に草川小児科に入局したことで、事務局を申しつかりました。阿武会長の時でしたが、その後、草川会長、橋本会長、竹内会長、石島会長、人見会長、篠崎会長とカトリック医師会を離れることなく、事務局として理事として副会長として務めさせて頂きました。いずれも素晴らしい先生方のもとで多くを学ばせていただいたと思います。

今もコロナは相変わらず収束されず、かといって何もしないのではなく、世の中も動き始め、3年ぶりのイベントも多く報じられるようになりました。加えてウクライナへのロシア軍の侵攻は、世界を二分し武器の供与等で更にエスカレートしつつあります。戦争はどちらにとっても悲惨な状況をうみだします。フランシスコ教皇の度重なる停戦への望みも届かないかに見えます。今ほど命を守り、平和を願ってお祈りが必要な時はないとさえ思えます。教会もコロナ感染の拡大で、ミサの中止や教会活動の制限など信徒同士のコミュニケーションにも影響が及んでいます。緩和されつつある状況にはありますが、各教区の司教様も判断に苦慮したと伺っています。地域のπカトリック医師会もこういうときこそ医学的な知識を導入し、協力をしていけるとよいと考えます。

こういう中でも医師会の支部を中心に活動も盛んに行われています。私たちはコロナ渦にあっても所属教会の奉仕が続けられていると思います。高齢者の相談(神父様、修道者、信徒の方々)、また各支部の中での命を守る活動―東京は生命尊重センターに協力して胎児を守る啓蒙活動に参加、命の電話等。関西では“こうのとりのゆりかごin関西”は人見理事長の強いリーダーシップのもとに活動しています。熊本の蓮田先生は内密出産2例目(5月12日産経新聞)が行われ、勇気ある行動でお腹の赤ちゃんを守る活動が紹介されています。素晴らしいことです。そのほか各地域に必要な医療問題、難民問題など活動されている支部もあります。福島では災害後の放射能問題などと熱心に取り組んでいます。

日本カトリック医師会も通常の状態にもどし、学生セミナーや移動理事会が再開され、共に集って失われている命のため、世界の平和の為に祈りたいものだと切に願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

2022年5月  和田惠美子